Peer Tutor Training Program

OCESは、教室でのグループワークを活性化させる高校生チューター、つまりピアチューターを育成することと、参加者に“学び方、探究方法”を知ってもらうことを目的に、「ピアチューター養成講座」を開催しています。九州大学 基幹教育院 教授 三木 洋一郎先生との共同開催です。

 

第1回目に参加した1期生となる高校生から、

 

・自分では思いつかなかったようなことも、グループのメンバーひとりひとりが考えたもの同士が組み合わさったり、他のメンバーが考えたものをその他のメンバーが連想したりすることで、新しい考えが出てきた。(高校2年 女子)

・中学の理科で学んだこと、高校の地理で学んだ知識が活用でき、授業の大切さが分かった。(高校3年女子、高校2年女子)

・新しい学び方に気付かされました。自分たちで課題を見つけ出して、それを解決するために何が必要なのかを話し合い、その課題について調べ議論をするPBLは主体的な学びの実践例だと感じ、PBLのキーワードは「自分たちで学ぶ」ということだと感じました。

・合宿では、普段の学校の授業とは違う学び方で、受け身ではなく能動的に取り組む内容だったので、とてもやりがいを感じました。また、自分の考えを発表することや相手の考えを聞くことに楽しさも感じられました。(高校2年 女子)

・ピアチューター養成講座を受けて思ったことは、問題を基盤にすることで、勉強の楽しさだけでなく、大学や社会での応用が可能であるということが分かり、PBLの重要性が実感出来ました。(高校3年 男子)

 

 

と感想が寄せられ、その学びの価値の高さが表れています。

 

  

この講座は、PBL チュートリアルという学習法で行っています。

 

【PBL(Problem-Based Learning)チュートリアルとは】

PBL チュートリアルとは、PBL(問題基盤型学習)をチュートリアル形式で行なう学習法のことである。

 

①PBL

PBL とは新しい知識を獲得する出発点として問題(シナリオ)を用いる学習方法である。5 人から 6 人の学習グループを作り、協働し議論を行いながら課題抽出から解決までを主体的に行う。通常一つのシナリオを3 回のセッションで解決していく。医学教育の例で言えば、学生たちは、症例に基づくシナリオを教材とし自分たちで学習すべき項目を抽出し、患者の問題を解決しながら学ぶ。

 

<セッション1>

まず、シナリオを検討することで学習課題の絞り込みを行っていく。ここで重要なことは何を知っているか、何を知らないのか、何を知らなければならないのか。そのことを知ること、自分が知らないことを自覚させることである。課題抽出の際には、ホワイトボードを 4 つに区切る方法がよく用いられる。ここで抽出された学習課題について、次のセッションまでに各自が自学自習を行なう。

 

<セッション2>

自分が調べてきたことについて、学生メンバーは相互で補いあいながらホワイトボードに図を書いて自分の言葉で説明していく。これを3回ほど繰り返すことで 1 つのシナリオを解決へと導いていく。そして、チューターによるフィードバックや相互のふりかえりを行うことで更なる課題抽出や自己の目標設定を促す。

 

<セッション3>

最後に学習目標を確認し、今回のシナリオで学習目標がどの程度達成されたかの振り返りを行う。

 

②チュートリアル

チュートリアルとは専門的知識を持った者が少数の生徒に集中的に教えることである。ここでチューターの存在が重要になる。チューターの重要な役割は、各セッションを通して、学生に知識を伝授するのではなく、学生の能動的な学びを見守り、援助すること。そして、できるだけ早く、楽しい雰囲気で、望ましいフィードバックを与えることが必要とされる。チューターがフィードバックすることで学生は自主的に PDCA サイクルを回すようになる。

 

三木洋一郎氏

九州大学基幹教育院教授・共創学部担当

東京大学大学院理学系研究科物理学専門課程(博士課程)修了。博士(理学)。

(財)相模中央化学研究所、長岡技術科学大学、高知大学、九州大学大学院歯学研究院を経て現職。

大学院から長岡技大まではタンパク質分子の構造-機能相関に関する研究を行っていたが、高知医科大学(現・高知大医)に移ってから医学教育が専門となっている。現在は、TBL や PBL などアクティブラーニングの推進に力を注いでいる。今年度春、九州大学が新設した共創学部の専任教員になり、来年度からは PBL 関連科目を担当する予定。