平成30年3月11日(日)九州大学伊都キャンパスにて、“キャリア教育の温故知新”と題し、キャリア教育研究会を行いました。

全国から200名近い先生方や行政、企業の方々にご参加いただき、キャリア教育の本質を探究する良い機会となりました。

この学び、当日の模様はPDFでご覧いただけます。製本したブックレットをご希望の方は「info@oces.jp」へご連絡ください。(2000円+送料)※先行予約期間中は1000円にて販売しておりましたが、期間は平成31年2月16日をもって終了いたします。

件名には「キャリア教育の温故知新ブックレット購入希望」とお書き下さい。

 

キャリア教育の温故知新のブックレット完成しました。

 

詳細はこちら。

“キャリア教育の温故知新”にかける想い

私たちは、キャリア教育を通じて生徒・学生と社会をつなげ、キャリア教育で成長した生徒・学生たちの必要な時に必要なだけの情報を届けるため、一般社団法人進路指導・キャリア教育支援機構(略称:OCES)を立ち上げました。

現在は、中高生・大学生向けのキャリアガイダンス・進路ガイダンスの提供や、保護者・教員向けの教育セミナーを中心に事業を展開しています。

 

本セミナーは、キャリア教育という概念が曖昧で誤解している方々が多いことへの問題意識から生まれました。キャリア教育が生まれた背景や当時の課題意識、人の成長のメカニズム、高校時代に資質能力を発達させることの意義等を正しく理解し、キャリア教育の観点から「これからの教育はどうあるべきか」を学ぶために行ないました。

 

講師は、キャリア教育の先駆者のおひとりである筑波大学 名誉教授 渡辺 三枝子先生と、次世代教育のトップランナーである京都大学 教授 高等教育研究開発推進センター 教育アセスメント長 溝上 慎一先生です。

北は北海道、南は鹿児島まで、全国から200名の先生方、教育委員会、教育センター、企業、保護者にご参加いただきました。

 

キャリア教育セミナー“キャリア教育の温故知新”の内容はダイジェスト動画からご確認いただけます。

 

<キャリア教育の温故知新ダイジェスト動画>

https://www.youtube.com/watch?v=mFDG2uspKHk&t=329s

キャリア教育が生徒を激変させる

筑波大学 渡辺 三枝子先生によると、キャリア教育は1960年代のアメリカで、義務教育のレベル低下に対する批判や教育のもつ現代的・未来的な役割を再認識することから始まりました。

つまり、当時のアメリカの問題意識は「学校で行なわれている授業は本当に生徒を成長させているのか」にありました。

授業で正しく成長していくことがキャリア教育の出発点なのです。

 

日本ではいかがでしょうか。

みなさんのお子様、生徒は、授業で成長しているという実感はありますでしょうか。

我々が関わる生徒の多くは、主体的に授業を受講しているというより、受け身で受講しています。

「学校の授業なんか社会に出ても役に立たない」

「あの先生の授業は分かりにくいから受けても意味がない」

こんなことを言い訳に受け身で学んでいる子ども、学ぶことに意欲を生み出せない子どもたちの姿を見たことはありませんか?

 

学校の授業が社会を生き抜く力にどう繋がるのか。どの授業で、どのように成長していけば良いのか。

そのヒントは、当セミナーの中にあります。

 

参加者の声

・教員としての資質そのものに迫るセミナーで、考えるところが多くありました。30年間何をしてきたのかを振り返り、残る日々でどこまで変化できるのかを考えざるを得ません。

・様々なデータや例を示していただき、示唆に富むお話をしていただきました。「関係性をつくる」「覚悟を決める」「あきらめない」という、私たちがずっとどこかで気にしていながらも一歩踏み込めないでいる状況へ一押しいただけたものでした。シンプルに原点を見つめること、そこから実践に移すこと。その意識を強くもつことができました。

・本質に触れるセミナー。まず思ったのはこれです。人は発達するということ。社会の中で生きていくということ。学校教育で大切な先生の役割。目の前の生徒を見ていたらやるべきことはわかるし、手法に走るわけがないということ。こうした流行ではない不易の部分に光が当たったセミナーですごくよかったです。

・溝上先生と渡辺先生とで切り口は少し違った気がします。渡辺先生は教員として生徒の成長を思って関わるという原点を重視され、溝上先生は社会の変化などにも触れながら、教員としての関わり方を重視されたように思います。しかしいずれも自己肯定感・自己効力感、目の前の生徒に対してその将来まで考えて関わり責任もって育てることの重要性を言われていたことは同じです。目の前の生徒の成長を考えるときに必要な将来という時間軸、それがキャリア教育というものかもしれないと感じました。

・「キャリア教育」という名称があるために何か特別なものを考えておりましたが、お話を聴いて、何も特別なものでないとわかり、進むべき方向が見えたように感じました。

・渡辺先生のお話、溝上先生のお話、発達のこと、コミュニケーションのこと…。本当にその通りだなあと思いました。まさに自分のいつも思っていること、勤務校の状況をふまえて感じることと同じでした。自分自身はお話にあったようなことを意識して授業設計をしているつもりですが、それ(型ではなく意味)を広めようとすると強い反発をされてしまいます。難しいと感じ、今は校内では生徒のためだけを考えています。そして、今日はさらにどうしていくのがbetterかを考えながら学びにきました。お話をきいて、自分の行なっていることを支えていただいているように感じ、もう少しがんばってみようと思いました。

・「環境という流行」と「メカニズムという本質」を理解し本質を踏まえた実践を行なっていくことが、一貫性ある有意味なキャリア教育となると思った。現場にいると分かりやすい方法に目がいくが、「なぜ」「何のために」「何を目的に」という点を落とさずに実践に臨む。方法から入るときは「自分にいいように考えているだけではないか」と考えていくようにしたい。

・“キャリア”にかかわる教職員や行政は、「何のための支援なのか」今一度考えるべきだと改めて感じました。

・今日来られなかった人に伝えることが出来るまでの理解が深まっていないので、もう一度振り返り、自分で考えていきたい。そして、今後関わる子どもたちに少しでも将来を考えるきっかけをつくっていきたいと思った。

・本当に今日は参加して良かったです。次年度の教育に取り組む勇気と元気をいただきました。おふたりの話を通して、教育の原点に立ち戻ることの重要性や必要性を痛感しました。一人ひとりの先生の顔が見える関係の中で、大切なことを互いに話し合う。あるいは伝えることが肝心だと再認識させられました。

・企業での研修や個人のクライアントと接するときに感じていた仕事に対する価値観等、全ては子どもの頃の教育で繋がっていることを改めて認識出来ました。溝上先生の話では、その裏付けを分かりやすく伺うことができ、自分の思いが間違っていなかったと確信に変わりました。

・教員の持っている影響力、かかわりの大切さを改めて感じた一日でした。